10月17~20日に訪ねたアイスランド。バスの車窓から外に目を遣ると、高校時代に地理の授業で教わった以下の内容がよく思い出されました。
アイスランドは中央大西洋海嶺の地溝帯の両側に跨るように横たわってできた島。この地溝帯より絶えずマグマが噴出されることによって、アイスランドの大地は形成されてきました。地溝帯を境に、島の東側にユーラシアプレート、西側に北米プレートが生み出され続けているのです。今でも東西に毎年1~1.5cmずつ伸びていて、必然的に火山活動も活発です。
このような環境下にあるため、アイスランドでは世界的に見ても稀有な風景を数多く見られるのでした。
こちらはシンクヴェリトル(Þingvellir)。ここがまさにユーラシアプレートと北米プレートが誕生する場所です。写真の平原を貫く川を境に、奥がユーラシアプレート、手前が北米プレートになります。新しい大地が生まれるペースは年間1~1.5cmに過ぎないのでそれを視覚でとらえることはできないのですが、地球のダイナミズムに思いが馳せられました。月並みですが、自分のちっぽけさを感じさせられます。
なお、このシンクヴェリトルでは世界最初といわれる民主議会が開催されたとのこと。ユネスコの世界遺産に登録されています。
こちらがゲイシール(Geysir)、アイスランドを代表する間欠泉です。これが英語の間欠泉という単語「geyser」の語源。日本ではミネラルウォーター「クリスタルガイザー」が売られているので、よく耳にする単語かもしれません。
このエリアは一面の温泉地帯で、あちらこちらから硫黄臭を発しながら煙が出ているのですが、その中で最大の見所がストロックル(Strokkur)という間欠泉でした。地下水が地熱を受け地殻を通って無数の泡となり湧き上がるため、蒸気圧が水圧を超えると水面が徐々に上昇し、突然ものすごい勢いで上空へと噴き出すのです。左の写真が吹き出した瞬間。5~10分おきに1回、高さ10~20m程吹き上げます。
こちらはアイスランド最南端の町ヴィーク(Vik)のブラックサンドビーチ、黒い砂浜です。流れ込んできた溶岩が海岸線沿いに残り、長い年月をかけてこのような砂浜を形成したとのこと。写真左奥に見える岩の柱はレイニスドラゥンガルと呼ばれる奇岩。最も高いものは高さ66mに及び、火山活動の激しさをうかがい知ることができます。
そしてこれが有名なブルーラグーン(Blue Lagoon)。火山活動が活発であれば当然掘れば温泉が出て、これはそれを利用した世界最大の屋外温泉施設です。青に乳白色が混じった温泉水がなんとも言えない幻想的な雰囲気を作り出しています。体を洗った後水着を着て入浴。場所によってかなり温度にムラがありましたが、概ね40℃以上に保たれていて快適快適、大変良い湯でした。ただ少し硫黄分が強いのでしょうか、僕は顔が途中からヒリヒリしてきました。
さて、この下の写真はマグマとは関係ありませんが、綺麗に撮れたので紹介します。
首都レイキャビクから南に向かう国道1号沿い、1時間程走った場所にある牧場。溶岩台地、雪、氷河をバックに、まさに絵のような美しさでした。
なお、シンクヴェリトル、ゲイシールへは「滝の国アイスランド」でも書いたReykjavik Excursions社の「Golden Circle」ツアーで、ブラックサンドビーチ、牧場へは同社の「South Shore Adventure」ツアーで訪ねました。
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